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睡眠時無呼吸症候群の検査・治療

睡眠時無呼吸症候群(SAS)

睡眠時無呼吸症候群とは睡眠中に何らかの原因で呼吸が10秒以上停止する無呼吸と低呼吸(通常呼吸の半分以下)を伴った疾患で、日本では200万~400万人の方が罹患しているといわれています。

1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数(AHI)が5回以上あれば睡眠時無呼吸症候群と診断されます。5回以上15回未満は軽症、15回以上30回未満は中等症、30回以上は重傷、40回以上は最重症となります。

睡眠時無呼吸症候群は3つのタイプに分類されています。

  1. 睡眠中に舌が落ち込むなど喉の奥が閉じてしまう閉塞型。
    このタイプが最も多く睡眠時無呼吸症候群の95%を占めています。
    いびきをかいて息が詰まり無呼吸となり、息苦しくなって突然目を覚ます症状がみられます。重症化すると睡眠が障害されるため、日中の眠気、疲労感、集中力低下、朝の頭重感などの自覚症状が現れます。無呼吸の間は血液中の酸素濃度が著しく低下するため、心臓に負担がかかり血圧が上昇したり不整脈が出現したりします。
  2. 脳の呼吸を命令している部位が異常を起こす中枢型。
    閉塞型と異なり、気道の閉塞なしに呼吸が停止するタイプの無呼吸です。
    呼吸を制御している脳の問題で発生します。チェーンストークス呼吸という無呼吸と過呼吸を周期的に繰り返す特徴的な呼吸パターンを認めることが多いといわれています。
    閉塞型に比較し、いびきや昼間の眠気などの自覚症状が少ないことも特徴の一つです。心不全による呼吸中枢への血流低下や二酸化炭素への過剰反応に伴う頻呼吸などが原因と考えられています。
  3. 1と2が混ざって起こる混合型。

睡眠時無呼吸症候群はなぜ危険なの?

睡眠時無呼吸症候群を放置しておくと動脈硬化が進行し、心疾患や脳血管疾患になる危険性が高くなります。生活習慣病との関わりも深く睡眠時無呼吸症候群の50~80%に高血圧、30~50%に高脂血症を伴い、高血圧症の30~50%に睡眠時無呼吸症候群を認めるという報告もあります。

また、昼間の眠気を引き起こし交通事故などの原因にもなります。事故を起こす確率も健康な方の7倍になるともいわれています。睡眠時無呼吸症候群が原因の事件で「平成の二․二六事件:山陽新幹線運転士の居眠り事件」があります。平成15年、山陽新幹線ひかりを運転中の運転士が居眠りをして最高時速280kmで8分間走り続け、自動列車制御装置が作動して列車が緊急停止した事件は、後に運転士が重症の閉塞性睡眠時無呼吸症に罹患していたことが判明し注目されるようになりました。

睡眠時無呼吸症候群の検査の流れ

睡眠時無呼吸症候群かどうかの診断は夜間睡眠時の検査で行います。

  1. 簡易アプノモニターによるスクリーニング検査
    小型の検査機器を持ち帰っていただき自宅で検査が可能です。呼吸の状態と血液中の酸素濃度を測ります。無呼吸の有無(1時間当たりの無呼吸・低呼吸の回数)により精密検査が必要かどうかを判断します。
    費用は保険適用の3割負担で約3000円、1割負担で約1000円です。
  2. 入院による精密検査(終夜ポリソムノグラフィー PSG検査)
    簡易検査で精密検査が必要と判断された場合、専門の医療機関で1泊または2泊の入院での検査となります。

当クリニックにおいても、簡易アプノモニターによるスクリーニング検査が可能です。ご希望の方はご相談ください。

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