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アレルギー疾患 発症予防・悪化予防について

アレルギーはご両親から受け継いだアレルギー体質と、皮膚や気道の過敏性に加えて身の回りの環境(母体環境、食事環境、生活環境など)の影響を受け発症します。アレルギー疾患の発症予防や増悪予防対策として、お子様が生まれる前から行える対策や生まれてから行う対策があります。

A.お子様が生まれる前から行える対策

母体環境や生活環境などを整えていくことが大切です。

①ダニ・ホコリ・カビ対策

ダニやカビの繁殖を防ぎ、ホコリの少ない状態を維持していくことが大切になります。気密性の高い住宅、じゅうたんやカーペットをひいた生活、室内ペット飼育、喫煙者との同居などがダニ感作を助長することがわかっています。ダニやカビの繁殖を防ぐため室内の換気を行い、室内湿度を50%前後に保つことが理想です。じゅうたん類をひかないようにして、ソファーは布製を選ばないようにしましょう。カーテンは自宅で洗えるものを選び定期的に洗濯をすることを心がけましょう。ダニは温度50℃・30分の環境で死滅します。そのため寝具は衣類乾燥用袋付き布団乾燥機を25度以上30分作動させたのち、掃除機で布団の表面をしっかりと吸引してあげることが大切です。天日干しでは殺ダニ効果は期待できません。毛布・枕・ぬいぐるみなど洗濯できないものも衣類乾燥用袋に入れて、同様に布団乾燥機で乾燥させ掃除機で表面を吸引しましょう。掃除はこまめに行い、特に寝室は毎日行うことが理想です。

②禁煙

喫煙者のいる家庭では家族のアレルギー反応を増悪させ、気管支ぜんそくやアトピー性皮膚炎に罹患することが多いこと、気管支炎や肺炎などの気道の感染症も増えることが明らかになっています。妊婦の喫煙だけではなく同居者の喫煙による受動喫煙により、流産・死産・乳児突然死症候群・低身長の原因にもなります。積極的にご家族皆様の禁煙を実践しましょう。自分の力で禁煙できない場合は禁煙外来を利用することも有効です。

③ペットの飼育について

ペットを室内で飼育することは、その動物の毛やフケ、唾液などがアレルゲンとして働くだけではなく、ダニやカビの栄養源となり、ダニやカビの繁殖にもつながります。犬や猫などの動物関連物質にはアレルゲン性の強いものが多く、1カ月程度の短期間の刺激でもアレルギーが成立し得るものと考えられます。1歳以下の赤ちゃんのアトピー性皮膚炎患児のうち23.8%、約4人に1人は猫や犬のアレルゲンに対する抗体を持っていました。家族にアレルギーの病気のあるご家庭ではペットの飼育はお勧めできません。現在飼っているペットをすぐにどうにかすることは難しいことですが、庭先など室外で飼育すること、可能な限り頻回にペットにシャンプーやグルーミングをするよう心掛け、少しでもアレルゲンを減らすようにしましょう。糞尿やエサの後始末を含め、こまめに掃除をしてください。

B.お子様が生まれたら行う対策

①スキンケア

皮膚には外界から身を守るという重要な働きがあります。皮膚の角質層における水バリア機能と水分保持機能の異常が、アトピー性皮膚炎における重要な発症・悪化因子の一つと考えられます。また、アレルギー感作が食物アレルギーにおいても、皮膚を通して起こりえることから、赤ちゃんの皮膚バリア機能の維持がダニに対する感作を防ぐだけでなく、食物アレルギーの予防・改善にもつながります。

お子さんが生まれたら新生児期より保湿剤を用いてスキンケアを丁寧に行っていくことがとても大切です。夏季でも保湿剤の種類を選びながらスキンケアを継続していくようにしましょう。スキンケアを丁寧に行うことが赤ちゃんの皮膚の健康を保つだけでなく、その後のアレルギー症状の発症や軽症化にとても大切となります。

②腸内細菌叢をアレルギーを起こしにくい方向に保つ

最近、免疫機能と腸内細菌叢の関係が注目されています。腸の状態が、その人の免疫機能つまりアレルギー体質に影響することがわかってきました。乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が優位な時にはアレルギー反応を起こしにくくするだけでなく老化や発癌抑制にもつながると考えられています。このような生菌をを含んだ製品や食物繊維を豊富に摂取することは、アレルギー予防や治療になると思われます。ただし、このような生菌を使った食品はヨーグルトなどのいわゆる乳製品であるため、牛乳アレルギーにつながることもあり、乳たんぱくの含有量の少ないものを選んだり、生菌そのものだけをとることが推奨されます。

 

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